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修練の鏡と精霊の大地

第1章 黄昏時に出会して……

 女子からの印象も悪くなっていたことが、ハッキリと分かった。


 ガラスの心がピシピシと音を立て、今にも崩れだしそうな状態だった。


 球也は背中を向け、目を閉じてジッと耐えていた。




 辛い……。



 消えてなくなりたい……。


 エラーで負けた試合なら、プロだって数多くある。そう、誰でもあるさ!! 何度もそう言い聞かせた。



 でも、恥ずかしい……。



 何度も退部を考えた。


 だが、野球が好きだと言う気持ちが、球也を引き止めていた。出来ることなら、高校生活最後までやりたい。


 だが、あの大失態がグルグルと球也の胸の中を掻き回し、心を乱す。


 それさえ無ければ、こんな苦しい思いをしなくてよかったのだが……。


「おい、球也!!」


 偶然、土手を通りかかった、同じ野球部で同級生の金吉幸一が、球也に声をかけた。


 金吉は野球部で、キャプテンを任されている。


 それに反応したのか、俯いてギュッと目を閉じた。


「おい、球也、何しとんや……部活も来んと……」


 そう言いながら、金吉は球也に近寄って来る。



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