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修練の鏡と精霊の大地

第18章 闇の者

「へっ!?」


 急に視界が暗くなった。


 気が付けば目の前に弟、優也がいる。


「あれ? なんで?」


 球也は辺りをキョロキョロと見る。なぜか、ここは自宅の二人の部屋だった。


「兄貴、疲れてたんか? ぜんぜん、起きへんし……」


 現状が、まったく把握できなかった。


 起きる? 部屋の中?


 今までのは……まさか、夢!?


 そう思った。


「ちょっと待てって、そんなあっけらかんな夢オチある?」と球也は自分の想像につっこむ。


「いや、なに言ってんの……耳からくさやでも食ったか?」


「食えるか! てか、俺、どうなってた?」


 優也が言うところ、球也は机にうつぶせになって眠っていたという。


 優也は「待ってて、なんか飲み物もってくる」と言って、部屋を出た。


 球也は今までの事を考えていた。


「マジか……じゃ、奈美ちゃんも夢? 純化さんもコウヤさんも莉子さんもユングさんも、みんなみんな夢?」


 訳がわからない球也は、机の上の鏡を見た。


 こいつがなにか自分にイタズラをしたのだろう。


 よくよく考えれば、あんな腐ったRPGみたいな世界、あるわけがない。


 なにが妖精だ。なにが神だ。普通、怪物なんて古い言葉使わんだろ。しかも、その怪物が神の使いで、自分達は騙されてやつらを退治していたって、まあ、よくできたお話だこと。


 球也は鼻で笑った。


 それと同時に、全身をおさえるような、極度な疲労感が球也をおそう。


 球也はベッドに横になった。


「だけど、河原でジジィに会った時、ソーヤが出たよな……いや、出たよ」


 もう一度、起きた。


「ちゃう、夢やない。ソーヤ、おったもん。おったよ……」



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