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修練の鏡と精霊の大地

第18章 闇の者

 すると、テレビの画面がブツリと消えた。


「あれ? あれ?」


 球也は何度もリモコンのボタンを押すが、テレビはウンともスンともいわない。


 テレビの裏を覗いて見るが、コンセントはきっちりとはまっているようだ。


 そこに、でかいリュックを背負った優也が入ってきた。


「兄貴、いや、兄うえ、停電でございますぞ」


「兄うえで呼ぶな!! 言葉も大河になるから、普通に兄ちゃんでいいよ!!」


「じゃ、兄ちゃん……停電だって……」


「やる気ないなら帰れっ!!」


「いや、帰ってるよ!! だから兄ちゃん、停電だから今はラジオとか携帯電話で情報集めなきゃ……外も街灯消えちゃって真っ暗やで」


「いや、真っ赤になっとるな」


 唯一の明かりは、窓から入る月の光。


 しかも、赤く変色している。


「兄ちゃん、なんか日本海で巨大な生物が波を打ちながら接近してる言うてる。なにか、よからんことおこってんちゃうん!?」


 携帯電話のニュース速報で、正体不明の巨大生物が日本に近付いているという。地震の関連性については、調査中と出ていた。


 球也はあることを考えていた。


「まさか……闇の者? いや、世界が違うやろ……でも、タイミングよすぎだし」


 球也は外に出た。外は意外に静かだった。


「なんだよ……バタバタあわててるの、うちだけとちゃうん? みんな寝てんだろ?」


 地震があり、テレビやニュースでは大騒ぎをしている。それにしては、静かすぎる。


「まあ、ニュースも近所で起こってるわけではないから、あわてちゃいないんだろうなぁ」



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