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修練の鏡と精霊の大地

第18章 闇の者

「なに言うてんのっ!? いや、機動隊のほうが武器もってるし、すぐ救急にも連絡いくやろ」


<そんなん間に合うかいな! あんなん、うちと一緒に闘ったらええがな!!>


「なるほど……」


 ダンゴムシは仰向けになっている男性の上に、乗っかっていた。


 球也はバットを片手に向かっていった。


「うおりゃーっ!!」


 ダンゴムシの黒い胴体に、木製のバットをふり下ろす。


『カキン!!』


 乾いた金属音がした。


 表面は固いらしい。球也は、手が痛いらしい。


<アカン、やつの顔の部分狙い……いや、違う違うっ!! それは被害者の顔!! 狙うんは、ダンゴムシの顔や!!>


 球也はフルスイングで、ダンゴムシの顔めがけて、バットを振った。


『ベキュッ!!』


 固いものを叩いて、中から汁系の物が吹き出るような音がした。


<よっしゃ!! あとは、まかし!!>


 ソーヤが念に力を入れると、近くにあった植木鉢の木が勢いよく伸びはじめ、ダンゴムシに強く巻き付いた。締め付けられたダンゴムシは、苦しみながら丸くなって転がった。


「お兄さん、いまのうちに逃げて!!」


 球也は男性を起こした。


「う、うわぁぁぁーーっ!!」


 ケガはなかったようだ。男性はパニックになっていたのか、悲鳴を上げながら走って逃げていった。


「ちぇっ、助けたのにお礼の言葉もなしかよ。てか、このダンゴムシはそんな凶暴じゃなかったな。あれは、なにか技もってんの?」



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