
修練の鏡と精霊の大地
第18章 闇の者
<せやけど、あながちその気分は嘘やないかもな>とソーヤが言った。
「え? なんでなん?」
<勇者とか伝説の戦士とか言われたら、その気になって、敵に向かっていく進撃の心が強くなっていったんちゃうか? だから、莉子さんとコウヤさんも、ケンカが強いだけで、怪獣みたいなやつと戦ってたやん。コウヤさんにいたっては、火のついたゼラチナスオイルキューブに突っ込んでたやん>
「確かに、確かに、何度も確かに、奈美ちゃんにいたっては、村で争ってる時、躊躇なく矢を放ってたもんなぁ……てか、こいつ、結局どうするよっ!? なんだかんだ言って、始末しないとヤバいんちゃうの?」
球也は指差して言った。
タクノアンはなんとか巻かれてある草から逃れようと、体をクネクネとくねらせる。
「おい、タンポポやなずなって、こんな強い草やったか? なんでこんな切れないんじゃっ!!」
暗がりの中でも、顔を真っ赤にしてもがいているのがわかった。
<だから、1本2本の草やないやん。何百何千が、体に巻き付いてんやで。そんな簡単にはずれるかいな!!>
「おのれ、この精霊がぁ……わしが精霊使いじゃったら……」
<あんなん言うてるわ。やっぱり、落としたろか。闇の者は始末しとこ>
ソーヤが言うと、球也はバットを手に取った。
改めて説明するが、草に縛られているタクノアンは闇の者側の一人であり、球也は人間の味方である。
どうやろうと、警察も手におえない人間界を支配しようとする悪魔を退治することになるのだが、高校生である球也がバットを持って、暗がりの中で立っていると、少年犯罪が起ころうとする一歩手前に見えてしまう。
いざ、バットで叩こうとすると……。
「あ、でもなぁ……いざやるとなると……なあ、ちょっと、とてつもないグロテスク害虫に姿を変えてくれへん?」
「え? なんでなん?」
<勇者とか伝説の戦士とか言われたら、その気になって、敵に向かっていく進撃の心が強くなっていったんちゃうか? だから、莉子さんとコウヤさんも、ケンカが強いだけで、怪獣みたいなやつと戦ってたやん。コウヤさんにいたっては、火のついたゼラチナスオイルキューブに突っ込んでたやん>
「確かに、確かに、何度も確かに、奈美ちゃんにいたっては、村で争ってる時、躊躇なく矢を放ってたもんなぁ……てか、こいつ、結局どうするよっ!? なんだかんだ言って、始末しないとヤバいんちゃうの?」
球也は指差して言った。
タクノアンはなんとか巻かれてある草から逃れようと、体をクネクネとくねらせる。
「おい、タンポポやなずなって、こんな強い草やったか? なんでこんな切れないんじゃっ!!」
暗がりの中でも、顔を真っ赤にしてもがいているのがわかった。
<だから、1本2本の草やないやん。何百何千が、体に巻き付いてんやで。そんな簡単にはずれるかいな!!>
「おのれ、この精霊がぁ……わしが精霊使いじゃったら……」
<あんなん言うてるわ。やっぱり、落としたろか。闇の者は始末しとこ>
ソーヤが言うと、球也はバットを手に取った。
改めて説明するが、草に縛られているタクノアンは闇の者側の一人であり、球也は人間の味方である。
どうやろうと、警察も手におえない人間界を支配しようとする悪魔を退治することになるのだが、高校生である球也がバットを持って、暗がりの中で立っていると、少年犯罪が起ころうとする一歩手前に見えてしまう。
いざ、バットで叩こうとすると……。
「あ、でもなぁ……いざやるとなると……なあ、ちょっと、とてつもないグロテスク害虫に姿を変えてくれへん?」
