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修練の鏡と精霊の大地

第19章 移動、そして集結

「そんな老人が、山の中にいるの!? 純化さん、一人でここにいて怖くなかったの?」


 球也には、一人でここにいるなんて無理無茶無謀だった。


「だって、うちは元妖精の力も持ってたのよ。こんな場所、怖くないよ。それに、ここにいるって、その老人は言ってた」


「それって、じいさん?」


「うん、おじいさんだった。そのおじいさんに、この鏡を突き付けて、もう一度入れないのか聞きたいの。ペタロを探しにいきたいから」


 純化の目的は、鏡を使えるようにして、ペタロを助けに行くことだった。


<それやったら会いにいっても無駄やで>


 ソーヤが言った。


「えっ、どうして?」


<純化さんが会った老人は、ただの人間なんや。うちはタクノアンと言う闇の者と、球也と出会うまで一緒にいてたから知ってるんや。ちなみにその鏡は、もう普通の鏡やで>


「うそっ!?」


<ほんまや。でも、その鏡があったお陰で、うちらは純化さんに会うことできたんや。んで、どうやろ……球也>


 ソーヤがチラリと球也の顔を見た。


 球也の勘がよければ、「どうやろ」の意味が通じているはず。


「うん、そうやな」


<わかってくれたんか?>


「もちろん、これからコンビニで買い込みするんだろ」


 なぜ、「どうやろ」で、その方向に想像したのか、ソーヤにはわからなかった。



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