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修練の鏡と精霊の大地

第19章 移動、そして集結

 休む間もなく右足を高く上げ、それぞれの頭部目掛けて、バシッバシッと蹴りつける。


 コウヤの攻撃に、キツネ人間は次々と砂の上に倒れこむ。


「おい、なんだ、三人もいてこんなもんか!?」


 まだ、手応えは感じなかった。かかってこいと、コウヤは手招きをする。


 三体のキツネ人間はゆっくりと立ち上がった。蹴りのダメージがあるのか、ややふらついている。


「さぁ、ここから様子を見ないとなぁ……人間じゃねえから、なにを出してくるかわからねぇからな」


 グッと拳を握り、コウヤはかまえる。


 キツネ人間は、ただ、立ち尽くした状態で、こちらを見ている。


 それが異様に感じた。


 先に動いていいものか?


 それでなくとも、相手は三体。こっちは戦力にならない老人が、震えて縮こまっている。


 人数では不利である。


 だが、コウヤはやる気だった。


 キツネ人間はゆっくりと拳を握りはじめた。


 全身に力を入れているのか、身体中の白い毛がブワッと逆立った。


「なに?」


 コウヤの背中にゾワッと、冷たいものが走った。


 それぞれのキツネ人間の体の部分部分がボコボコと、動き出した。


 衝撃的な状況に目を見開いた。


「チッ……動けねぇ……先に、一気に片付ければよかったか……」


 一体一体に目を向ける。


 キツネ人間の体が少しずつ太くなってくる。


「おい、これキ○肉マンとか、ドラゴンボ○ルみたいなことになってんじゃねぇか!?」


 すでに、キツネ人間の上半身がガチガチの筋肉質に変化している。



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