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修練の鏡と精霊の大地

第19章 移動、そして集結

 呪神コックリ。球也はその名前に聞き覚えがあった。


 すると、純化はポケットから財布を取り出すと、中から10円玉をつまんで言った。


「えっ!? あんた達がコックリさんなの? なんか、イメージと違ってムキムキなんですけど……」


 キツネ人間は頭をダラリと下げて、ため息を吐いた。


「お嬢さん、それは我々が呼ばれているわけではなく、この世に残した我々の残霊が反応しているんだ。そんなオカルト的なパーティーゲームで本物が呼び出されるわけがないじゃろ」


 純化はキツネ人間の目の前で、10円玉をちらつかせる。


「コックリさん、コックリさん、私の素敵な王子様になる殿方は、どんな方で……」


「本物を目の当たりにしてコックるんじゃない!! 俺達に直接聞いたらいいだろっ!!」


 キツネ人間は思わず立ち上がった。


 だが、慣れない正座に足が痺れ、よたよたとしていた。


「じゃあ直接質問するね。私、彼氏できるかな?」


「わかるかっ!! こんな足がジンジンきてるような我々に、どんな回答をもとめるっ!!」


 足に力が入らないのか、何度も倒れそうになる。


 その様子を見ていたソーヤが、キツネ人間にむかって言った。


<あんたら、闇の者のコックリさんなんやな。ちょっと聞くけど、いま、この人間の世界に闇の怪物が徘徊しとるんや。空にも異変がおきてるし、これは闇の者の王が復活しようとしてるんか?>


 キツネ人間はソーヤを見た。


「精霊か……久しぶりに見たな。お前が言う、王の復活かどうかは、よくわからない。だが、我々がこの世界にいるということは、おそらく大きなエネルギーがひとつになろうとしているのだろうのぅ」




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