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修練の鏡と精霊の大地

第19章 移動、そして集結

 純化が少し、意地悪な顔を見せた。


「あっ、怖いんですかぁ〜? 大丈夫ですよ。最強の精霊、ソーヤちゃんがいますから」


 純化はそう言うと、吸い込まれるように、鏡に入っていった。


「怖くはねぇよ!! ただ、ちょっとなぁ……」


「さぁ、次はコウヤさん」と球也がすすめる。


「俺!? まじ? また、どこに連れてかれるのかわかんないのによ……てか、あの世界行くときも、鏡に吸い込まれた時、まあまあ恐怖だったんだぜ」


 やはり怖かった。どうやら、鏡に入るのに、少し抵抗があるようだ。


「大丈夫ですって! たぶん、次は莉子さんのところじゃないっすか?」


「莉子か……かもな。あいつも、この世界に戻ってたからな」


「そう言えば、コウヤさんはどうやって元に戻ったんすか?」


「それなぁ、俺もよくわかんねぇんだ。急に眠くなってなぁ……気が付いたら元の世界だった」


「僕がいてない間、なにがあったか知りたいし、コウヤさん、行きまっせ!!」


「ん〜……そうだな。レスラーの俺が怖がってちゃ、若い者に対して示しがつかねえもんな。よし、鏡の旅にまいりますか」


 コウヤはやる気を出した。そして、鏡に右足から入ろうとする。


「ちょっとまって!」と球也が止める。


「おい、なんだよ……いいところで止めるなよ」


「すんません、いや、あの、これに着替えます?」


 球也はバッグから白いスウェットを出した。


 コウヤは目を丸くする。


「えっ? それに着替えろってか?」


「そんなずぶ濡れじゃ、気持ち悪いでしょ。風邪ひきますよ。ちょっと小さいですけど、よかったら……」


 コウヤはためらったが、たしかに、このままでは気持ち悪い。



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