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修練の鏡と精霊の大地

第3章 冒険の旅へ

「あっ!?」


 レンガ組みの壁には、無数の血の付いた刃物がぶら下げてあり、椅子は少し錆びた鉄製。


 ガラスケースに、見たことの無い動物の生首が並べられ、所々にハエがたかっている。


 不気味なムードの中、店の主らしき男が藪睨みでこちらの様子を窺っている。


「な……なんかようか?」


 かすれた声でそう言うと、球也はゴクリと固唾を飲む。


「あ……いや、ここは何を売ってる店ですか?」


「学習塾だが?」


「失礼しました」


 そんな訳無いだろと、言いたいのを無理からに押さえる。


 どう見ても肉屋か処刑屋だろ。


 あんな状況で、子供に何を教える気だ。


 ある意味、その授業を聞いてみたい気がした。


 村でヌカーが言っていた、酒飲み屋を探すことにした。


 だが、どこが酒飲み屋なのかが、わからない。


 さっきの学習塾の件もあるし、片っ端から探すと何か怖い思いをしそうな気がしてならない。


 街を真っ直ぐ進むと、公園らしき広場があった。


 真ん中には噴水があり、なにやら勇者っぽい白い像が立ってある。


 公園のベンチと思われる物に腰をおろす。



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