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修練の鏡と精霊の大地

第19章 移動、そして集結

「それは、また後で説明します。よかったら、佐田さんも来ますか?」


 唐突に言われても、勇樹はなにも言えない。


 純化が窓を指差し「あの赤い空、闇の者が復活するんです。だから、みんなで倒しにいきましょう」と言った。


「倒す?」


 勇樹は眉間にシワをよせる。


「えっ!? 倒しにいくのか?」となぜかコウヤも聞いた。


「じゃ、なにしに来たんすか?」と球也は呆れたが、すぐさま顔色を変えて「てか、ソーヤ!! 闇の者、倒しにいくんか!?」とソーヤに聞いた。


<いやいや、なんで聞くかなぁ……てか、球也はさっき京都の山でみんなで力を合わせて、この世界を守ろうって言うたやんかっ!?>


「じょ、冗談だよ……わかってるよおおぉ……」


 決して、そうじゃないと、誰もが思った。


 そこで、すかさず純化が話を加える。


「だから、これからあの世界で出会った仲間と、この世界で会って、もう一度力を合わせようって話を、ソーヤちゃんときゅう坊とでやったんよ。だから、あの不思議な鏡を使って移動して、コウヤさんを連れてここに来たの」


 勇樹はうんうんと頷いた。


「なるほど、仲間がいる所に移動をして話をつけていこうってわけか」


「そう、つまり、その通り!!」と球也が調子をつけて言った。


「だったら、マンションの下にお前達と行動してたのがいるぜ」と勇樹が言った。


「マンション? えっ、佐田さん、ここに住んでんの?」


「そうだ。ここは俺が住んでるマンションだ。それに、この下に莉子ってのがいるから、呼んでくる」


 球也達が移動してきた場所は、勇樹が住んでいるマンションの中だった。


「ところで、下に莉子さんがいるの? なんで?」


 純化の心が、急に生まれた喜びの感情でさわぐ。


 勇樹は腕組みをして話を続けた。


「いや、さっき近くの公園で会ったんだ。なんか鏡をくれたジジィと、ひと悶着あったらしくてなぁ。頭きて鏡を割っちゃったんだよ。で、あまりにジジィがかわいそうだから、俺が持ってる鏡をやろうと、一緒に取りにきたんだ」



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