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修練の鏡と精霊の大地

第19章 移動、そして集結

「あいつらしいな」とコウヤが笑う。


「とりあえず、呼んでくるから待ってな」


 そう言って、勇樹は階段を下りていった。


「莉子さんにも会えるって、すごい!! もう会えないと思ってたのに、会えるんや!!」


 球也は、またみんなと行動出来ることに対して、ワクワクしている。


 ソーヤは青い石がついた鏡を示した。


<それなんやけど、一人一人がいる場所に向かうのは時間がかかる。これから、あの世界で集まった人らを呼ぼうと思うんやけど、どうや?>


「どういうことだ?」


 コウヤが聞いた。


<これから、修練の鏡を持っている人達に、鏡を通して呼び掛ける。で、鏡の中に入ってもろうて、ここに来てもらうんや>


「マジか、そんなこと出来るんや!!」


 球也はそう言って、自分が持っている修練の鏡を眺める。


<うちも、ついさっき気が付いたんや。つまり、この石のついた鏡が主で、他の鏡に力を与えよる。力をもらった鏡は、力が入っている間はこの主と同じように移動したりも出来るんや>


「なるほど、それだったら鏡そのものもこっちに来るから、回収もできる。少しでも多く回収できたら、闇の連中に奪われずにすむし、力を阻止することができる。そう言うことだな」


 コウヤは、球也がもつ鏡を示して言った。


<その通り。鏡は割ったら使えなくなる。だから、集めるだけ集めて、全部割ればいいんや>


「くそっ!! それがわかってりゃ、俺の鏡を奪われずにすんだのに……」


 コウヤはキツネ人間に、鏡を奪われたことを悔やんだ。


<せやけど、それはそれで都合がいい。相手が持ってたら、居場所がわかる。だから、戦力になるもん集めて、一気に攻めていこう>


 ソーヤはそう言ったが、戦力と言う言葉に対して、純化は少し不安を感じた。


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