修練の鏡と精霊の大地
第19章 移動、そして集結
妖精の世界で、勇樹の率いるチーム内で、なにがあったかは、そこでは明かされなかった。
人間関係の中で、個人個人の汚れた部分だけが一人歩きし、チームを黒く染めたのであろう。
勇樹は晴幸の頭を掴み、前に押し出した。
「まず、あの子のじいさんに謝れ」
晴幸は、勇樹の力で押し込まれてうつむいたが、自分からも深く頭を下げた。
「すいませんでした」と晴幸は声を出して、奈美に対して、冷たくあたったことを詫びた。それと同時に、勇樹も頭を下げた。
淀屋橋は晴幸の肩を軽くポンポンと撫でるように叩いた。
「頭を上げなさい。わしはなにがあったか知らないが、あんたのその口調には気持ちが入っているのがわかる。その気持ちがまだ残っているなら、あんたがやれること、まだあるだろう」
淀屋橋の言葉に、晴幸は窓に目をむけた。
空の色がさらに赤みを増している。
勇樹は晴幸の肩を掴んだ。
「じゃ、さっそく仕事だ。お前は、これから鏡で移動して、一緒に行動した玲美と結実子の元にいけ」
勇樹の口から出た玲美と結実子という名前は、一緒に行動してた女性のようだ。
「えっ……なにするんすか?」
晴幸は戸惑いながら言った。
「その二人の元に行って、訳を話して、鏡をぶち壊してこい」
「えっ!? 今から?」
「当たり前だ。でなけりゃ、闇の者の使いが、鏡を探しに来やがる。ここはあの世界とは違う。武器もない普通の女に、なにができる?」
「あの……結実子なら、携帯電話知ってるんで……聞いて覚えてたから、こっち戻ってきたときに電話したんすよ」
「お前、聞いて暗記してんじゃねえぞ!! てか、あいつ31歳だぜ!!」
「でも、僕が初めてチェリーを卒業した……」
「それ以上言うなっ!!」
人間関係の中で、個人個人の汚れた部分だけが一人歩きし、チームを黒く染めたのであろう。
勇樹は晴幸の頭を掴み、前に押し出した。
「まず、あの子のじいさんに謝れ」
晴幸は、勇樹の力で押し込まれてうつむいたが、自分からも深く頭を下げた。
「すいませんでした」と晴幸は声を出して、奈美に対して、冷たくあたったことを詫びた。それと同時に、勇樹も頭を下げた。
淀屋橋は晴幸の肩を軽くポンポンと撫でるように叩いた。
「頭を上げなさい。わしはなにがあったか知らないが、あんたのその口調には気持ちが入っているのがわかる。その気持ちがまだ残っているなら、あんたがやれること、まだあるだろう」
淀屋橋の言葉に、晴幸は窓に目をむけた。
空の色がさらに赤みを増している。
勇樹は晴幸の肩を掴んだ。
「じゃ、さっそく仕事だ。お前は、これから鏡で移動して、一緒に行動した玲美と結実子の元にいけ」
勇樹の口から出た玲美と結実子という名前は、一緒に行動してた女性のようだ。
「えっ……なにするんすか?」
晴幸は戸惑いながら言った。
「その二人の元に行って、訳を話して、鏡をぶち壊してこい」
「えっ!? 今から?」
「当たり前だ。でなけりゃ、闇の者の使いが、鏡を探しに来やがる。ここはあの世界とは違う。武器もない普通の女に、なにができる?」
「あの……結実子なら、携帯電話知ってるんで……聞いて覚えてたから、こっち戻ってきたときに電話したんすよ」
「お前、聞いて暗記してんじゃねえぞ!! てか、あいつ31歳だぜ!!」
「でも、僕が初めてチェリーを卒業した……」
「それ以上言うなっ!!」