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修練の鏡と精霊の大地

第20章 ラスボス

 純化の携帯にサイトからのメールが届く。


 メールにあるURLをクリックすると、F☆MIXのサイトに移動する。


 すると、赤い文字で「ももっち様から友達申請が届いております」と表示されていた。


「莉子さんきました! えっ、莉子さん『ももっち』て名前にしてるんですか!?」


「うん、名字が百地(ももじ)だからね。まさか、さすがにここでも桃尻娘だったら、バカにされちゃうよ」と莉子はやや苦笑い。


 その様子を、横目で見ていたコウヤがボソッと呟いた。


「チッ、女は呑気なもんだよ……俺も後で申請いれよ」 


 そうこうしてる間に、ソーヤがある異変を突き止めた。


<あっ!! あった!!>


 その声に、全員が振り向いた。


 表情が強張り、一気に緊張感が高まる。


「いよいよか……」勇樹は鏡に顔を近付ける。


 鏡には紫色に染まった空と、渦を巻いた雲が写っていた。


<やっと見付けた。同じオーラを発するものが何ヵ所かにいて探すのに手間取ったけど、こいつが本体や。間違いあらへん>


 ソーヤは、鏡に写し出された渦から目をはなさない。


「本体って、これ渦巻きだぜ……」と輝が、鏡に人差し指を触れさせた。


 その瞬間、輝の右腕が鏡の中に吸い込まれた。


「なにっ!?」


 あまりの勢いと吸い付きの強さに、輝の体が浮いた。


<アカン!! 引っ張らな!>


 ソーヤが言う前に、コウヤが輝の腕を掴んでいた。


「おい! ユング、大丈夫か!!」


 コウヤが輝の腕を握って声をかける。


「うわぁっ!! ちょっと……」


 輝はグイグイと鏡にうもれ、右腕から肩まですっぽりと入ってしまった。


「くそっ!! ユング、気張ってろよ!!」と今度は勇樹が、輝の胴体を両腕に抱えた。


 だが、思った以上に強く引っ張られる。


 どんどん引っ張られ、ついには輝の額まで入りこんだ。


「イテテテテテ!! 待って、体がちぎれそうだ!!」


 輝が、声を上げた。向こう側のエネルギーが相当強いのであろう。


「こうなったら……みんな、このまま中に引っ張られようや……」


 コウヤが言った。



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