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修練の鏡と精霊の大地

第3章 冒険の旅へ

「えっ?」


 球也は声がする方に、顔を向ける。


 そこには、20代半ばと思われる、胸辺りまである長く茶色い髪の、女性が立っていた。


 球也はただ、不思議そうに見つめていた。


「あんた、人間やろ? なんとなくやけどわかるわ」


 女は、なめし革製の物と見られるワンピースに身を包み、背中に杖の様な物を背負っている。


「はい、確かに人間ですが、お姉さんも人間?」


「アハハ、よかった仲間やぁ!! 雰囲気でそうちゃうかと思ったんや」


 女は球也の手をギュッと握る。


 一瞬、わけがわからなかったが、球也の心中は緩く小川の様に流れていた。


「うちは純化(じゅんか)占い師やってんねん。よろしく」


「よろしくって……えっ!?」


 純化と名乗る女は、馴れ馴れしくグイグイ球也に接近してくる。


「あの……純化さん、すいません。僕、状況がまったく掴めないんやけど……」


「お!! この標準語まじりの関西弁はまさしく人間! いやぁ、人間でここに来てるのうちだけかなぁ思うて心配やったんよ。助かったあ」



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