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修練の鏡と精霊の大地

第21章 そして……

〔桃尻娘こと、莉子だ!! キュウ!! やっと連絡ついた〜!! 私は秋から、ロサンゼルスに出発しまーす。海外でヘアスタイリストとして、頑張ってくるぜっ!! ちょっと寂しくなるけど、帰ってきたら、お客さんとして来てよ♪〕


 莉子は理容師。ヤンチャで不真面目だった自分が抜けきれず、店でもお客さんに不快な思いをさせてしまうという。あの世界では、そんな自分を変えるための旅だった。


 だが、今度は本格的な自分改善の旅となった。


「莉子さん、頑張ってるんや。客としてかぁ、僕は今、坊主やけどな」


 続けてメールがきた。


 これは輝からだった。


〔しばらく。覚えてるか?ユングの方がわかるかな? アカウントはユングと輝だ。いま、自分はサーカスのアクロバット団員の一人として、トレーニングをしながら頑張ってます。また、近々、関西にも来ますので、見に来るのではなく、会いにきてよ。ちなみに、身長が5センチ伸びた!〕


 輝は小人症で、人に舐められないように、ワルとしての風貌で守ってきたが、素直な自分でありたい。また、身長がほしい。そんな願いを込めて旅をしていた。


「サーカスか。輝さんのあの身のこなしなら、最適やん! 身長……あ、伸びたんや」



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