修練の鏡と精霊の大地
第21章 そして……
ピッチャーが投げた。
「よしっ!!」
球也はバットを振った。
グンとバットを持つ手に重さがかかる。当たった!!
球也は歯を食いしばって、一気に振り抜いた。
「どうにでもなれぇっ!!」
「ファール!!」
ボールは大きくそれた。
「くそっ!! 後、20センチ左だったら……」
まだ試合は続行。集中力に限界がきた。
「やべ……」
心が折れそうだった。期待の目で見ないでくれと、何度も願う。
チラッとベンチに目を向ける。
監督は目をそらした。
「なんでやねん……」
正真正銘絶体絶命。勝ちたいよりも、早く帰りたいが本音だった。
その時だった。
「球也ぁーっ、頑張ってぇーっ!!」
女性の声援。
球也は振り向いて顔を上げた。
観客席の金網ごしに、純化と喜代、それに奈美とおじいさんの淀屋橋がいた。
「球也くん、落ち着きなされっ!! あの時を思い出すんじゃ!!」
淀屋橋はしっかりとした口調で、激励を投げる。
「球也さん!! 来たよ!! 頑張ってぇーっ!!」
奈美からの声援だ。飛び上がって、大きく手を振っている。
プーロンが現れていたその日、奈美と淀屋橋は、二人で怪物と闘っていた。しかも、奈美のそばには、炎の精霊がいたのだ。
二人も共に闘ってきた仲間である。そんな二人が、大阪まで応援しにきてくれた。
それは、球也にとって、一番嬉しい声援だった。
「純化さん……おじいさんも奈美ちゃんも……来てくれたんだ」
「よしっ!!」
球也はバットを振った。
グンとバットを持つ手に重さがかかる。当たった!!
球也は歯を食いしばって、一気に振り抜いた。
「どうにでもなれぇっ!!」
「ファール!!」
ボールは大きくそれた。
「くそっ!! 後、20センチ左だったら……」
まだ試合は続行。集中力に限界がきた。
「やべ……」
心が折れそうだった。期待の目で見ないでくれと、何度も願う。
チラッとベンチに目を向ける。
監督は目をそらした。
「なんでやねん……」
正真正銘絶体絶命。勝ちたいよりも、早く帰りたいが本音だった。
その時だった。
「球也ぁーっ、頑張ってぇーっ!!」
女性の声援。
球也は振り向いて顔を上げた。
観客席の金網ごしに、純化と喜代、それに奈美とおじいさんの淀屋橋がいた。
「球也くん、落ち着きなされっ!! あの時を思い出すんじゃ!!」
淀屋橋はしっかりとした口調で、激励を投げる。
「球也さん!! 来たよ!! 頑張ってぇーっ!!」
奈美からの声援だ。飛び上がって、大きく手を振っている。
プーロンが現れていたその日、奈美と淀屋橋は、二人で怪物と闘っていた。しかも、奈美のそばには、炎の精霊がいたのだ。
二人も共に闘ってきた仲間である。そんな二人が、大阪まで応援しにきてくれた。
それは、球也にとって、一番嬉しい声援だった。
「純化さん……おじいさんも奈美ちゃんも……来てくれたんだ」