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修練の鏡と精霊の大地

第21章 そして……

 ボールはコロコロと自分の行きたい方向に進んでいる。


「チャンス!!」


 球也は一塁に向かって走った。振り逃げである。


 二塁にいた金吉も三塁に向かって走る。


 キャッチャーは一瞬ボールを見失うが、なんとか拾ってサードに投げた。


 だが、大暴投。とんでもないところにボールは飛んでいった。


 ボールはフワッとショートに向かって飛び、ボールはセンターとショートの間に落ちた。


 ボールはセンターの前で一度跳ね、ショートとセンターは共にぶつかった。


「ラッキー!!」と三塁を抜けた金吉が、全力でホームまで走る。


 慌ててボールを拾ったショートが、点をやるまいと、ホームに向かって投げた。


 だが、そのボールまでが、悪投球。


 投げたボールはピッチャーの頭に当たり、金吉はなんとかホームイン。


 同点に並んだ。 


 さらに球也は、三塁まで足を運んでいた。


 ピッチャーは頭をおさえ、ボールはテンテンとその横を転がる。


 急いでセカンドがボールを拾い、ホームに向かって力いっぱいに投げた。


 球也は必死に走る。


 ボールは真っ直ぐ、キャッチャーのミットに飛んでくる。


 間に合わないと見た球也は、手を真っ直ぐに伸ばして、倒れこむように飛んだ。


 もう、自分の失敗で負けたくはない。やるんなら、自分の失敗で勝ってやる。


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