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Dioic

第2章 目覚め

ただでさえぼくの頭の中はいっぱいなのに、最近悩みがまた一つ増えた。



「・・・そうか。今日は見なかったか?」

「・・うん」

「来週もう一度検査をする。丸一日学校は休む事になるけど大丈夫か?」

「勉強は大丈夫です。良平が遅れたら教えてくれるから」

「そうか。・・・純、お前が一番辛かったり悩んだりするのはわかっているが、・・・母さんと父さんも同じだからな」

「ありがとう、父さん」


ぼくは、親に捨てられたと、親戚の人から言われたことがある。水商売をしていた母から捨てられたと。
母が生きているかはわからない。少し会いたいと思う気持ちもある。
でも、本当の子じゃなくてもこの人たちの息子になれてぼくはしあわせものだ。

父さんはこんなにぼくの体を心配してくれる。こういう体だと早くして亡くなることが多いはずだが、ぼくの体は両生器具種以外健康体だ。
医者としてぼくの体に興味があるのだろうが、医者としても、親としてもぼくを受け入れてくれる。

最近、おかしいんだ。
ことが始まったのは、中2の時。

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