Dioic
第2章 目覚め
デジャブっていうのと似ている。
良平が体育祭に出るんだ。
足が速いからリレーの選手に選ばれてアンカーで走る。
その頃はそんなに良平と仲が良かったわけではなく、ぼくは友達伝えに知ったことだった。
体育祭2日前に、デジャブを見た。
良平が体育祭の日に他の色の選手に突き飛ばされて左薬指の骨を折る。
夢だと思った。
朝、良平が今日のリレーめっちゃがんばる!と意気込んでいた。
怪我、しないでね?ってぼくは言った。すると良平は、大丈夫だよ!転んだりしないから!と笑った。
良平が朝練あるから!と先に家を出て行った。いつも部活もあるしぼくより早く出るけど。
「純?どうしたの?良平がどこか痛いって言ってた?あの子怪我しても言わないものね。」
母さんが心配そうにキッチンからいう。ちがうんだよ、かあさん。
ちがうけど、ここは正直に言おうか。
「デジャブっていうか、夢とは違うんだけど。昨日良平が左手の薬指を怪我するところ見たんだ」
「あらやだ!当たったら純エスパーになれるわね。まあ手を怪我してもサッカーにはあまり支障ないし、左手だものね」
母さんの笑い声が聞こえた。
すこし重かった肩が軽くなった気がして、自然とぼくも笑った。
その日、良平は左手の薬指を折ったのだ。
良平が体育祭に出るんだ。
足が速いからリレーの選手に選ばれてアンカーで走る。
その頃はそんなに良平と仲が良かったわけではなく、ぼくは友達伝えに知ったことだった。
体育祭2日前に、デジャブを見た。
良平が体育祭の日に他の色の選手に突き飛ばされて左薬指の骨を折る。
夢だと思った。
朝、良平が今日のリレーめっちゃがんばる!と意気込んでいた。
怪我、しないでね?ってぼくは言った。すると良平は、大丈夫だよ!転んだりしないから!と笑った。
良平が朝練あるから!と先に家を出て行った。いつも部活もあるしぼくより早く出るけど。
「純?どうしたの?良平がどこか痛いって言ってた?あの子怪我しても言わないものね。」
母さんが心配そうにキッチンからいう。ちがうんだよ、かあさん。
ちがうけど、ここは正直に言おうか。
「デジャブっていうか、夢とは違うんだけど。昨日良平が左手の薬指を怪我するところ見たんだ」
「あらやだ!当たったら純エスパーになれるわね。まあ手を怪我してもサッカーにはあまり支障ないし、左手だものね」
母さんの笑い声が聞こえた。
すこし重かった肩が軽くなった気がして、自然とぼくも笑った。
その日、良平は左手の薬指を折ったのだ。