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馬と鹿の咄

第13章 そば

【そば】

 まだ、一人暮らしをしていたころの話です。


 休みの日でした。


 朝から、なんとなく、おそばが食べたくてね。


 今日はそばを食うぞって、意気込んでおりました。


 前日の晩に、テレビで、そば打ち名人の話題が出てたんですよ。


 そしたら、思わなくていいことを思っちゃうわけですよ。




 そばを自分で作りたいと……。


 でも、どうやるかわからないから、携帯で調べた。


 そしたら、家で簡単にそば打ちが出来るキットがあったんですよ。


「いえそば」て、まあ、おもちゃの機械みたいなやつですわ。


 やってみたくなりましてね。そば屋に行かず、トイザラスに行きました。



 いえそば、1万3千円するんだ。



 でも、これは面白いと思って買いました。


 そば粉と、中力粉を買いまして、そば打ち開始。


 説明書通りに、分量を計り、時間もキッチリとタイマーでセットしてやったんだが、なぜか、そばがポロポロ。


 なんでだろ?





 中力粉と間違えて、薄力粉を買ってたんですな。


 で、もう一度スーパーで中力粉を買って、再チャレンジ。


 もう一度、計り直して、そば粉と中力粉を混ぜ、水を混ぜ、こねくりたおして、生地を作る。


 ちゃんと生地を伸ばす行程も書いてあるので、その通りにやった。


 ちなみに、説明書には、うどんやパスタの生地も作れるとか。


 で、こねて、伸ばした生地を、いえそばのカッターにセットして、L字のハンドルをクルクル回すと、細いそばが出てくるんだ。







 ポロポロやないか!!



 ブチブチ切れとるやないか!!


 ベビースターそばか!!


 まあ、せっかく作ったから、ゆがいて食うか。





 ダシもなんにもない。



 また、スーパーに行った。かき揚げとめんつゆと、ネギを買いまして、ついでにダイソーでどんぶりも買った。




 1杯のそばを食うのに、1万5千円ほどかかりました。




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