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馬と鹿の咄

第14章 プロオナラーやまさん

【プロオナラーやまさん】


 けつガス爆発事件から、屁のスペシャリストと呼ばれるようになったやまさん。


 実はこの店には、もう1人、尻の無形文化遺産と呼ばれる者がいたのだが、これはまた別の話で。


 やまさんがすかしっ屁をした時、若い従業員が東急ハンズで買ってきた、火気厳禁と書かれた札が出される。


 やまさんがトイレに入るたび、吠えまくってた犬が、いつの間にか室内に入れられるようになり、周りもちょっと変わってきたのね。


 で、尻で調子にのってるやまさんが、音が鳴る屁って、どんな音だって言うんだ。


 それに答えたんだ。


「だいたいが、ブッとか、プゥ〜♪でしょ」


「そうだよな。だけど、口で息を吐くとき、はぁ〜、ひぃ〜、ふぅ〜、へぇ〜、ホッてな感じになるだろ」


「まあ、ひぃとか、へぇ〜はシチュエーションにもよりますね」


「オナラでも出来ないかと思ってな。尻でパピプペポか、バビブベボが出てきたら、すごくない?」


「ん〜、ブピッて、たまに、ピが微かに出てるようなきがしますから」


 なんの話をしてんだ。


 てか、この発想も45歳のおっさんが、考えることかね。


 でも、確かにおもろいわな。


 やまさんが、笑いながら言った。


「これが上手くいったらやで、パ〜パ〜って、尻でお父さんを呼べるじゃないか」


 口で言った方が早いだろ。


 尻で呼ばれるお父さんの身にもなれ。



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