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馬と鹿の咄

第18章 形見分け

【形見分け】

 ハッキリ覚えてる、2005年の自分の誕生日。


 小学生の頃からの友人「かっちゃん」が、大きなカバンを持ってやってきた。


 その時、もう1人の友人、「ひとっちゃん」もいたんだな。


 かっちゃんの話では、つい先日、一緒に暮らしていた叔父が亡くなったとのこと。


 実はかっちゃん、いろんな苦労があって、しばらく1人で暮らしてたんだ。ほんまに、すごく大変なことだったんだ。


 で、そんな生活をしていると知った叔父さんが、一緒に住もうと声をかけ、独身だった叔父さんと2人で暮らすことになった。


 その叔父さんも心筋梗塞で亡くなって、しばらくしてからのこと。


 叔父さんの形見がいっぱいあるから、俺達で分けようってんだ。


 いやいや、かっちゃんの叔父さんは、我々も何度か会ってるが、他人だよ。形見もらっていいのか?


 かっちゃんが、持ってきたカバンを開けた。中には、たくさんのビデオテープが……。







 裏ビデオだった。


 番号がついていて、番号のクジを引いて、引いた番号のテープを頂く。タイトルもなにも書いてないから、当たりかハズレかわからない。


 で、僕は7本もらったんだわ。





 さっそく見たよ。







 女子高生がおっさんに直でオシッコを飲ませるってのが、3本あった。



 叔父さんの趣味それ!?


 その形見って、どういう気持ちで頂いたらいいんだよっ!!



 それが強烈すぎて、他のAV女優の裏作品がショボく見えたわ。


 ちなみにひとっちゃんの所に渡った物の中に、60歳のおばちゃんがHしてるやつと、女子大生が男に屁を嗅がせるってのがあったらしい。


 趣味の幅!!


 かっちゃんの叔父さん。


 番号のシール剥がしたら、下から「刑事コロンボ」て、出てきましたよ。むっちゃ、ダミーで誤魔化してるやん。



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