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馬と鹿の咄

第19章 眉毛

【眉毛】

 40も過ぎると、中高年に見られる怪奇現象が体に起こってくるものだ。


 腰痛は当たり前、老眼も出てくる。老眼なんてのは、人間、35歳あたりから出るそうですな。自分はならないと思っていたが、100均の老眼鏡を目にあてたら「おほっ♪」て、声が出た。まあ、それは仕方がない。


 TOKIOの城島茂も、老眼が出てきたって話だ。年には勝てん。


 あと、眉毛が伸びてくる。まれに若い子でも伸びてる子はいるが、おっさんとは伸び方が違うわけで……。


 さすがに、これはおじん臭いだろうと、週一くらい、4ミリの長さのバリカンをあてて、眉毛の長さを整えている。


 まあ、額から流れる汗を食い止める役割があるので、このくらいの長さがありゃ、いいだろ。


 これを書く1週間前のこと。


 眉毛にバリカンをあてた瞬間、凍りついた。


 鏡を見ながら、やっているわけだが、バリカンを入れた瞬間……






 眉毛が半分消えた。




 4ミリのアタッチメントを付けなければいけないのを忘れていて、ノーマルでいったのだ。



 ちかみに日記には、恥ずかしくて2ミリと書いたが、実際には、0.5ミリ。


 無いよ! 眉毛無いよ!


 どこで無くした!?


 下にパラパラ落ちて、ゴミと化した我が眉毛。



 人間、眉毛が無かったら、こうも違うか……。


 とりあえず全部バリカンを入れて、眉毛の幅を細く剃り揃えた。





 こんなヤンキー、いるよな……て、感じ。


 手触りがヤバい。あまり無いよね、眉毛触って、ザラザラするのって……。



 刈り上げした時の頭の感触、眉毛に感じてるし……。





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