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馬と鹿の咄

第3章 やまさん

 で、ある程度、結構な金使って、刺青を消したんだよ。


 なんか、背中に鬼の顔かなんかが彫られてて、まだ、うっすらと残ってんのよ。


 近くから見たら、まあ、ちょこちょこ青とか赤とかが残ってるかなぁ〜って、感じなんだけど、そんなやまさんと、昔、釣りをしに行ったんだよ。民宿に泊まって1泊2日の海釣り。


 夏でね。カンカン照りだった。釣り師が集まる波止場に場所をとって、釣り開始。


 日焼けしたら、ある程度は誤魔化せるだろうってんで、やまさんは上半身裸で釣りをしてた。


 まあ、アジとか、ボラが釣れて、釣れたら片っ端から僕が捌いてジップに入れて、クーラーボックスに保存。


 数時間して、後ろにいたおっちゃんが、でかいのを釣ったってんで、まだ針についた魚を、写真撮影してんだ。


 その時、たまたま、やまさんの竿にもヒットしてね。なんと、タコが引っ掛かってきて。


 タコが釣れたと大喜び。


 で、民宿に戻ったら、釣った魚を調理してくれるってんで、アジフライとボラの煮付けしてもらってね。


 タコは茹でて刺身に。


 美味かったんだ。


 後ろで釣りをしてたおっちゃんらも、同じ民宿に泊まってて、ついつい釣りの話で盛り上ってね。



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