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第2章 はじめまして

「……そう。新しい友達。」




…嘘はついてない。
なっちゃんは、男子だけど。

男子だとしても、ユウくんに
後ろめたく思う必要なんてないし、
ユウくんは先日
はっきりわたしをフッたんだから。

ユウくんこそ、
誰と会ってるのかなんて
わたしは知らない。

今日だって、
デートの帰りなのかもしれない。

マキちゃんの情報が
すべてじゃないよね…

彼女…いるかもしれないし。



エレベーターが来た。
ユウくんの8階を押して、
わたしの家の9階を押す。


顔を合わせるの、ちょっとつらいな。
何でわたし告白しちゃったんだろう。

フラれるならしなければよかった…



と思っていたら、
ユウくんが顔を近づけてきた。



「えっ!?」

「――おまえ、餃子食ったな」


エレベーターは8階に着く。


「いいな。オレも食いたくなったわ」


奥二重の切れ長の目で
クールに微笑みながら
ユウくんは降りていった。

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