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『甘い蜜』

第22章 甘い蜜 22



―千崎side―



「あーあ、行っちゃったね…」

呼び止める事も出来なかった隼人に僕が言うと…

「誰のせいだ…」

思いっきり睨まれちゃいましたけど、怖くないですよ?

だって二人を見てたら不器用すぎてもどかしいんだからしょうがないじゃん。

隼人だって、神埼を呼び出したのだってアレがホントの理由じゃないくせに…

「そういえば、もうすぐ隼人誕生日だな?」

「…なんだよ、突然。」

「ホントの理由はそれだったのかなー…って思ってさ?」

「…るせ。」

あ、図星だったみたい…

ホント、隼人は不器用だからね。

おまけに神埼も芽生えかけている蕾に気づいていないみたいだし…

「神埼は今までの子とは違うんだろ?…だったらちゃんと伝えてあげなきゃ伝わらないよ?」

僕にはこれぐらいの助言しかしてあげる事しかないけれど…

「…分かってるよ。」

このひねくれた憎らしい王様にはお姫様の気持ちなんて教えてやらないんだ…絶対。

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