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『甘い蜜』

第29章 甘い蜜 29

「なぁ…倉本、例えばさ…」

空いている前の机に腰を掛けた倉本を見上げ…

「んー?」

「傍にちょっかい出してきた奴がいたとして…、そいつが他の奴と一緒にいたりする所を見たりしてムカついたりするの、ってさ…」

しどろもどろにならない様に努めて冷静を保ちながら…

「そりゃ、もちろんヤキモチだろ…」

どう考えてもそうだろ…、的な感じにサラリと答えた倉本を凝視してしまったた瞬間…

「ーーッッ!?」

俺はあまりの驚きに言葉さえ出なくなってしまった。

それって、さ…

「ていうか、例えの仕方下手くそだな…神埼。」

口をパクパクし続ける俺に倉本が声を殺して笑っているのが見えて…

「…下手ってなんだよ。」

ジロリと睨んだ俺を…

「だって、それお前の事だろ?」

あっさりと含み笑いで返して、必殺の一撃を放ってくれやがった…。

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