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『甘い蜜』

第31章 甘い蜜 31

「てか、何で俺が知ってるって分かるんだよ…?」

もしかして見られてたりしたのか…?

それとも…

「…勘?」

倉本が平然とした顔で首を傾げながら答えた。

あぁ、そうですか…。

見られてたりしたのかとこっちは思いっきり焦ったのにッ!

「最近、呼び出し無いな…って思ってたら神埼落ちてるし?」

「別に…、落ちてねえもん。」

アイツの呼び出しなんて嬉しくもなんともない…よな?

「…素直じゃねぇなぁ、お前も。」

休み時間が終わりを告げる合図が鳴るのとほぼ同時に、倉本が立ち上がり俺の頭をぐしゃぐしゃと撫でると自分の席へと戻っていった…。

素直じゃないって、何がだよ…なんて悪態をつきながら俺も次の授業に向けて準備にかかる事にした。

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