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『甘い蜜』

第33章 甘い蜜 33

「いつまでも自分の気持ちに気付かぬフリをしてたら、隼人…苦しくなってしまうよ?」

俺を思いっきり笑い飛ばした千崎が、再び窓からグラウンドを眺めながら囁く様に言った。

「…気付いてないのはアイツじゃないのか?」

俺は自分の気持ちに………。

「お前もだよ…、鈍感バカ隼人。」

振り返った千崎が、俺の鼻をつまみ上げながら不敵に笑って…

「な…っ!」

鈍感…は、どうか知らないがバカとはなんだ…!

「…好きな奴をイジメたくなるって、小学生かよお前は。」

鼻をつまみ上げていた手が頬を挟んで…今度は真面目な顔で千崎が俺を見つめた。

「いつまでも呼び出しに応じて来てくれるとは限らないだろ?」

「………。」

「まぁ…、最近は呼び出してないみたいだけど?」

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