『甘い蜜』
第34章 甘い蜜 34
「…手を振り払われたんだ」
俺は自分の手を見つめながら呟く様に…言った。
「何をしたんだよ…?まさか無理矢理…」
「バカ、違う…」
だいたいそんな事したら…
アイツは暴れるだろが、…多分。
「じゃあ、何?」
千崎が少しだけ拗ねた顔をして…
「よく分かんねぇ…、アイツから会いに来たくせに。」
そうだよな…
そもそも自分から会いに来たくせに、勝手に怒って帰っていたんだ。
「もしかして隼人が知恵熱出した時?」
知恵熱…、って。
「風邪って言え。」
「は?イヤだね。」
何かムカつくな…。
知恵熱ってガキじゃあるまいし。
「隼人…、話がズレてきた。」