『甘い蜜』
第4章 甘い蜜 4
…何をやってるんだろう、俺は。
結局あのまま外で待つように言われて、断りきる事の出来なかった俺は…今、生徒会長と向い合わせで座ってる。
「あの…」
「…………」
さっきから書類に視線を落としたまま話す事のない生徒会長に俺は意味が分からなかった。
俺、別に用事も何にもないんだけど…
ていうか…、一番驚いたのは生徒会長がアッチ系の人だと分かった事。
女の子だと思っていたヤツは、男だったんだよ…ナゼか。
このルックスなら男でなくてもモテると思うんだけど…?
「何?」
「いえ…、別に。」
話しかけても全然気付かなかったくせに…。
「君、この後…暇?」
「は…?」
視線を落としていた書類をバサリと机に放り投げると生徒会長がにっこりと笑いかけてきた。