テキストサイズ

『甘い蜜』

第59章 甘い蜜 59※

どうして俺はコイツに優しくしてやれないのだろう…

「…っ、もうヤだ…」

子供みたいに泣き出した神崎に、欲情するなんて…俺は相当キテるかも、な。

「…やめる?」

俺の言葉に神崎の肩がビクッと震えたのが分かった。

「やっぱり、付き合うのも考え直し…」

パンッ…!

神崎の手が空を切ったかと思った瞬間…部屋に響いた音と、頬に残るヒリヒリした痛み。

「…ふざけんなっ!」

赤かった顔を更に赤くして目の前で涙をボロボロ溢す神崎を見つめながら痛みのする頬に手をやる。

…もしかしなくても、殴られた?…俺。

「俺をなんだと思って、っ…だよっ!」

「…っ!」

泣きじゃくってたかと思えばいきなり抱きついてきた神崎に…俺はどうしたらいいのか分からなくなっていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ