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『甘い蜜』

第9章 甘い蜜 9

「っ…はぁ、はぁ…」

荒い息を吐きながら、歪んで見える視界を腕で隠す様に覆った。

最悪だ…、なんで俺がこんな事に。

しかも男相手にイカされるなんて…

「まだ休むのは早い…」

意識を飛ばしかけていた俺を遮るかの様に生徒会長の悪戯とも取れる声が聞こえた。

「ま…、だって…」

これ以上はもう…無理。

色んな事がいっぺんにありすぎて疲れたんだと思う…

俺は現実から逃げるかの様に、意識を暗闇へと落とした。

消えゆく意識の中で生徒会長が話す声が聞こえた様な気がしたけど…そんなの知らない。

俺は疲れたんだ…よ。

何で…なんて頼むから聞くなよ?

アンタのせいに決まってるんだから…。

落ちた意識の中で現れた生徒会長に向かってそう言った…。

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