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第1章 welcome
木兎と赤葦の住み家はファミリータイプの高層マンションの最上階。
この部屋、と言うかこのマンションの管理権は資産家である木兎の両親からのプレゼントだそうで、木兎は管理人なんて俺は無理!といって管理人として当時まだ大学生だった赤葦を強制採用したため、恋人でもあった赤葦は木兎の住み家に転がり込むような形で同棲が始まった。
…とりあえずどぶの匂いでも想像しながら洗濯すれば収まるはず。
赤葦はそんなことを考えつつ、無表情、無感情で洗濯物を洗濯機に入れる作業を続ける。
もう終わりというところで風呂の扉が開く音がした
「赤葦!!」
「?どうしたんですか木兎さん」
完全にフルチンで風呂の入り口にたつ木兎の光太郎くんを思わず(高さ的に!不可抗力で!)眺める赤葦。
「おれ、俺がやる!」
「何をですか?尻の穴にでも突っ込ませてくれるんですか?」
良い子には見せられないような指の動きをする赤葦
「え?尻の穴?いや、そ、そじゃなくて、赤葦、手、怪我してるから洗濯物俺がやる!」
木兎は危機感を感じたのか尻を両手で覆いながら話す
(隠すところはそこじゃないだろう感)
「そんな、別にいいですよ。」
「いや、俺がやる!!」
「…わかりました。洗剤はこれを青い線までいれて使って、フルで水入れて、すすぎは一回ですよ。わかりましたか?」
「うん!よくわかんないけど、わからなかったら赤葦に聞く!」
やっぱりだめじゃないかと思いつつ、木兎の意欲を削ぐことはなんだかんだで木兎を敬愛して溺愛する赤葦としては出来ず、これ、 パジャマですと言ってパジャマを差し出し、肉を焼くため部屋に戻った。