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第2章 to
「これ、掃除はめんどくさいけど、こういうときは便利だよな」
この家には食事のテーブルに焼肉屋の様なコンロが取り付けられている。
それはすべて木兎が焼き肉好きのため。
赤葦は不自由な右手をかばいながら用意をする。
「あ、木兎さん、鞄干したいんで、部屋持っていかなくていいですよ。」
準備があらかた終わろうかと言うところで木兎がなぜかそろりそろりと風呂場から出てきた。
「え、あ、えっと、俺今日これ部屋に干したいから!」
「?はぁ、そうですか。」
どこに干すつもりなんだろうか。まぁいい。一人で洗濯できたようだし。
「あかーし!おれ、なんかすることある?」
「…そうですね、包丁は持たせられませんし…。
あ、俺の右手の包帯、きれいに巻き直してもらってもいいですか?」
「包帯なくても大丈夫?」
「大丈夫です。切りどころが悪くていっぱい血が出ただけなので。」