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×××だけのプリンス

第5章 S&AOM 裏の支配者[リーダー]

ピーンポーン…


インターホンが鳴って、
雅紀を中に招き入れる。


「…翔ちゃん、今日も?」


雅紀が言っているのはセックスのことだ。

雅紀がここに来るということは、
大体それしかない。


でも…


「違うよ。」


俺は平然と答える。


雅紀は、1番信頼できるから。

あのこと、言っておこうと思って。


「…今日呼んだのは他のこと。」


ほらね。今悲しそうな顔した。

期待してたんだ。


雅紀のことだから、ここに来る間
そんなことしか考えていなかったんだろう。

いい匂いがするから
多分風呂にも入ってきている。


なんだこいつ。ヤる気満々じゃん。

俺は心の中で嘲笑った。


雅紀の腰に手を回し、リビングに押し込み
そのままソファに座らせる。


「実はね…」


荷物を下ろしながら俺の話を聞く。


「家を買おうと思って。」
「家…?」
「うん、家。」


雅紀は頭の上にハテナマークを浮かべる。


「なんで俺に…?」

「お前にも関係あるからだよ。雅紀。」


雅紀は余計に首を傾げる。


「一緒に住もう。みんな一緒に。」


俺は色んな意味を含めた笑みを浮かべた。

雅紀は目をまん丸にして
口もポカーンと開けている。


「みんなって、5人で…?」
「うん。そうしたらいつでもヤレるじゃん。」


当たり前のように言う俺に
雅紀は軽く身体を震わせた。


「え、でも…みんな自分の都合ってもんが…」
「みんなは?じゃあ雅紀は賛成?」


雅紀は黙り込む。
悔しそうに俺を睨みつけて。


「助けてもらった貸しがあるしね。
…それに、俺翔ちゃんがいなきゃダメだもん。」


それだ。

その言葉が聞きたかった。

俺がいなきゃ、こいつらはダメなんだ。


一緒に住んだりなんかしたら
それはもっと強くなる。

そうなることが、俺の目標なのか…?


とりあえず、雅紀には承諾を得た。




ふふっ…おかしい話だよな。

少し前まではただのメンバーだった5人が、
1人の支配者[リーダー]を求めて同棲なんて──

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