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×××だけのプリンス

第5章 S&AOM 裏の支配者[リーダー]

内見も無事終わり、契約も済まし
あとは雅紀以外の3人に伝えるだけになった。


でもここからが厄介だ。

3人を、引っ越さないととか、
一緒に暮らしたいって思わせないと。


…どうやって?


俺はこの慶応卒の頭をフル回転に使って
(ちょいナルシ笑)
考え抜いた末に計画を作り上げた。

風呂の後に1人作戦会議をして
イメージを固めた俺はそのまま眠りについた。




翌朝、いつもより早起きをして
俺はある場所へ向かった。


そこは潤の家。

と言っても、潤に会うためではない。


俺は潤の家のインターホンを連打した。


そう、ここから引っ越すということは
何か不快なことがあるからだ。


その時から、俺は潤のストーカーになった。


インターホンを押すのを止めた俺は
潤から見えない位置に隠れ様子を見る。


ガチャっとドアが開き、
スウェット姿の眠そうな潤が出てきた。

キョロキョロと辺りを見回し
不機嫌そうにドアを閉めた。


そのドアに鍵がかかったのを確認し
俺はドアノブを握り勢いよく回す。

もちろん鍵がかかってるから開かないけど
まだずっとガチャガチャと音を鳴らす。


そうして俺はそのまま自分の家に帰った。

わけではなく…

帰り道、公衆電話にコインを入れ
潤の番号を押した。


出ないかなと思ったけど、潤はちゃんと出て
俺の持つ受話器から静かな声がした。


「はい、松本です…もしもし…?」


それには答えず、俺は沈黙を保つ。

やがて声が止み、ツー、ツー、と
心を持たない機械音が響く。


「っふふ…」


俺は思わず笑みを浮かべて
今度こそ自分の家へ帰った。

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