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×××だけのプリンス

第5章 S&AOM 裏の支配者[リーダー]

「どうした?松潤。いつもは眠そうなのに、
今日はおめめパッチリだね。」


智くんが潤にそう言った。

いつもは潤が眠そうで機嫌の悪いはずの朝。


なのに今日はあまり眠れなかったのか
クマもうっすら出ているが、目はパッチリ。


「う、うん…何でもない。」
「ホントに何でもないの?」


潤の後ろにスタンバってた俺は
唐突にそう問いかけた。

潤は俺に驚いてビクッと肩を揺らした。


「なんだ…翔くんか…」


なんて肩を降ろすのを見ると
ストーカーが俺だとはバレてないみたいだ。

俺は潤を身体ごとこっちに向けると
肩にポンっと手をかけた。


「なんかあったなら兄ちゃん達に相談してみ?」


俺はニカッと冗談っぽく言った。

それに潤は、本当?と相談する気みたいだ。


「実は…」


と、潤は朝のことを俺と智くんに話し始める。


うん、知ってる。知ってるよ…
だって犯人俺だもんね。


頷きながら、深刻そうな面持ちで
一生懸命話す潤を見つめる。

相当怖かったのか、その目は涙ぐんでいた。


「…俺、ホント怖くて…
…朝はそっから寝れなかった。」
「潤、それヤバいよ。絶対ストーカーだよ。
家もバレてるんだったら尚更ヤバい。」


俺は真剣に見せかけて
上手く行きすぎて心の中で嘲笑する。


「警察行った方がいいかな…」
「…それはやめとけ。」
「なんで…?」
「それだと絶対大ごとになる。
ニュースとかにもなっちゃうよ。
それは嫌でしょ?」


俺が慌ててそう言いくるめると、
ゆっくり、うんと頷く。


「とりあえず、今の家は危険。
…俺んち来る?」
「え…?」
「俺、引っ越すんだ。一緒に来る?」


少しの沈黙が続き、
潤は覚悟を決めたかのように頷いた。


「あ、雅紀もいるんだけどいい?」
「は?」
「一緒に住むんだ。
あ、ついでに潤も一緒に住んじゃう?」


潤は目を丸くして固まってしまった。

それを静かに聞いていた智くんも、
びっくりして目を見開いている。


2人が固まる中、楽屋のドアが開く。

入ってきたのは雅紀だった。


「おはよー!…あれ…?どうかした?」


潤は俺をキッと睨み、
勢いよく楽屋から出ていってしまった。



まぁ、いい。

一緒に住むと言い出すのも時間の問題だ…

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