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×××だけのプリンス

第5章 S&AOM 裏の支配者[リーダー]

俺は仕事終わり、最後の王手をかけるため
近くの公衆電話から潤に電話をかけた。

でも朝とは違って潤は出ず、
ただただ発信音だけが電話ボックスに響く。


一度切り、もう一度かけ直してみる。
それでも潤は出ない。


怖くて手に取るのも億劫になったのか…

…いや、そういえばまだ仕事中だ。


なら着信履歴だけでも残しておこうと
何度も電話をかけた。

もう何十円も使ってしまったけど、
潤を手に入れるためならそんなの苦ではない。


俺はタクシーを拾い、潤の家へ向かった。


エレベーターのボタンを押し、
中に入るとメモ帳を取り出しその紙いっぱいに
「好き」の文字で埋め尽くした。

出来るだけ俺の字とはバレないように。

頭のおかしいファンのせいに出来るように。


それを潤の部屋のドアに挟んだ。



さぁ、王手を指したぞ、潤。

お前はもう詰みだ。


降参して俺のところに来い…


雅紀と一緒に、お前も俺の奴隷だ。


俺は帰りのタクシーに乗り
深くかぶった帽子の中でニヤリと嘲笑った。


その笑みに、運転手は気が付いただろうか…

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