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×××だけのプリンス

第6章 S&N 5つのパズル

あー、激しくしすぎたかな…

なんて、俺は反省している。


智くんが珍しく御立腹。

昨日はあんなに可愛いかったのになぁ~?

朝から腰が痛いだの何でご飯作れないのだの
すっごいうるさい。
てかご飯作れないのはまた別でしょ!

でも、機嫌を直してもらうために苦戦中。


「智くん!わかった、ご飯作るよ。」
「いい!翔くんがやったらケガする。」
「あ、俺の心配してくれんだ。」
「…」


あーあ、黙り込んじゃった。


「と、とにかく、今日はパン焼くだけでいい!」
「わかった!」


これは!智くんが機嫌直してくれるチャンス!

俺は急いでキッチンに向かった。

俺がパンを出していると、腰を庇いながら
智くんがリビングに入ってくる。


「智くん…」
「なに?」
「これ、何分に設定すればいいの?1分?」


俺がオーブンから智くんに目線を移すと
智くんは眉を下げてため息をつく。


「…翔くん、俺やるよ。」


あれ?機嫌直してくれたの?


「あ、言っとくけど、俺まだ怒ってる。
でもお腹空いたから。」


…はい。

あー、ここはニノに頼むしかないかなー?

そうだ、どうせニノもシェアハウスに
誘わなきゃなんないんだし。

いっぺんにやっちゃえ!


色々と頭の中で思考を巡らせていると
智くんに声をかけられる。


「翔くん邪魔。…出来たよ。」


そう言ってテーブルに置いたのは
いい感じのトーストと少し崩れた目玉焼き。

この短時間に出来たのはすごいけど、
自分だって料理得意じゃないんじゃん。


そう思うと何故か笑えてきて
智くんと反対の席に着きながら
1人笑みを漏らした。


ごめんね、智くん。激しくして。

今日は腰に気をつけて。


声には出さないけど、本当にそう思ってるよ。

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