
はしたない女の子は好きですか?
第5章 ▼たまには乱れてどうでしょう
-----
「ふぅ……」
サッパリはしたけどスッキリはしない。
なんだか肩とかはだるいし、動かすとパキパキと音が鳴るし。
髪を乾かして寝室に向かうと、弘樹がベッドに腰掛けて雑誌を読んでいた。
いつもはコンタクトの弘樹が、家でお風呂上りはメガネなのがわりと好きだ。
私は弘樹の横に腰をかけた。
「あがった? ココア飲まない?」
「んー、もらおっかな」
少しすると、湯気のたつマグカップを弘樹が持って戻ってきた。
「ありがとう」
「少しは疲れがとれるといいんだけど」
ふー、と息を吹きかけると、湯気が息に押されて向こうへいく。
口をつけると甘い味が口の中でぶわっと広がっていく。
「美味しい」
体がぽかぽかしてきて、なんだか落ち着いた気持ちになる。
「少しは癒せてるかな」
「うん、ありがとう」
弘樹が私の体を少し寄せる。
弘樹との距離が近くなって、ココアと弘樹の暖かさが心地いい。
