はしたない女の子は好きですか?
第5章 ▼たまには乱れてどうでしょう
「なんか気を遣わせちゃってごめんね」
「そんなことないよ」
「でも…」
「志織、外だとキリッとしてるでしょ? だから普段から少し気を張りすぎなんだよ。それで最近その疲れがどっときちゃってるだけ」
「そう、かな」
「だから少し肩の力抜いてみなって。ん。ここきて」
弘樹が、自分の脚の間をポンポンと叩く。
私は空になったマグカップを棚に置くと、言われたとおり弘樹の脚の間に腰を下ろした。
弘樹が後ろからきゅうって抱きしめる。
「ふふ、なーに」
「志織が疲れてるみたいだからパワーあげてるの」
え、なにこの子可愛い。
「うれしいー」
「好きだよー。なんかしてほしいこととかある?」
「え、してほしいこと? んー、今日大分優しくしてもらってるんだけど…」
私はんーと少し上を向いて考える。
そして、重ったるい肩に気づいた。
「じゃあ、肩を揉んでもらってもいいかな?」
「肩? うん、わかった。志織デスクワークだもんね」
弘樹が少し後ろにさがって私の肩に手をかけた。
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