
はしたない女の子は好きですか?
第5章 ▼たまには乱れてどうでしょう
「はいはい、ごめんね。ちゃんとするって」
「…びっくりしただけで、別にだめとかは言ってないけど」
「……」
弘樹が驚いた顔をして、そして両手で顔を覆った。そしてそのまま後ろへひっくり返ってしまう。
「え、な、なになに」
「志織が可愛くてやられた」
何を言ってるんだこいつは。
ばーんとされた犬みたいな感じで、弘樹はひっくり返っている。
そして起き上がると私にキスをした。
「ココア味」
子犬みたいに笑って、唇の離れる瞬間ペロッと私の唇をなめあげた。
背中がゾクッとする。
変なスイッチが入っちゃうそうになる。
でも弘樹は、さっきのようにまた普通に私の肩を揉み始めた。
少しえっちな気分になっていた自分が恥ずかしくなってしまう。
それがバレないよう、私は弘樹のほうを向かなかった。
今日のお客さんは、だとか。弘樹の仕事の話を聞きながら相槌を打つ。
そして2度目の睡魔が私を襲った。
上のまぶたと下のまぶたは仲良しなようで、今にもくっつきそうだ。
その時だった。
「ふ、あ……」
