
はしたない女の子は好きですか?
第6章 ▼制服を脱いで。
ドアをノックする音、少し不機嫌気味な先生の声。
私の心臓がびっくりする。
「あ、せ、先生」
「まだなのか?」
「あ……えっと………まだではないんですけど、その」
「なんなんだ?」
「やっぱり今日も入れないかもかなーなんてー…」
次耳に届いたのは先生の声でなく、勢いよくドアを開ける音だった。
スライド式のドアが、ガラガラっと大きな音をたてて開かれる。
そこには怒りでしかめっ面な先生がいた。
そして先生はズカズカと入ってくると、ドアを閉めて私の方へと歩み寄ってくる。
驚きと怒っている先生が怖いことで、私はその場から動けずにいた。
声も出せない。
そして先生との距離が近くなった。
「桜橋。なんでそんなに水泳したくないんだ?」
「え………あ…」
目の前の人は教師の顔をしている。
さっきはしかめっ面だったのに、優しい顔してる。
こんな一方的に嫌だとか言っても困るよね、そりゃ怒るよね。
なのに、こうやって優しく聞いてくれるこの人は、大人で教師だ。
