
はしたない女の子は好きですか?
第1章 ▼たまらないのはこっちだ。
「何も無いからです! 何もないから泣いちゃってるんです!」
予期せぬ私の大声に、新さんを驚いた様子で体をビクッとさせた。
私はキっと新さんを睨むと、もう歯止めがきかない口を開く。
「もう付き合って1年以上たつんですよ?!中学生カップルじゃないんですから、えっちとかしてもよくないですか?! 私の友達なんて2ヵ月でしてるんですよ!それに新さんだって24ですよ!真っ盛りな歳じゃないですか!いつになったらえっちしてくれるんですか!襲ってくれるんですか!」
「ゆ、由美」
「もう私は我慢なんてしたくないんです!新さんに触ってたくさん気持ちよくしてほしいんですよ!」
一気にまくしたてたのでさすがに疲れて、私ははぁはぁと息をはく。
真っ暗で静かな車内に、私の息遣いだけがしっかりと聞こえる。
呼吸が落ち着くと、私は我にかえった。
「あ、今わたし…」
もう言いたいことをオブラートにもなににも包まずに弾けるように話した。新さん、全部きいたよね。あぁ、恥ずかしくて顔みれない。
えっちに誘うならもっと可愛く誘うはずだったのに、こんなキレ気味でまくしたてちゃうなんて、これこそ本当にひかれちゃうよ。
また目がじわっと熱くなる。また泣きそう…
そのとき新さんがふわっと私の体を包む。
「新さん?」
ふと顔をあげると、新さんが私にキスをした。
口をふさぐみたいに少し強引なキス。舌が私の口の中をかき回す。突然のことに私は反応できなくだらしなく声を漏らすだけだ。
口が離れて、私の荒い息遣いが車内で響く。
新さんはシートベルトをしめなおすと、車のアクセルを踏んだ。
