
はしたない女の子は好きですか?
第1章 ▼たまらないのはこっちだ。
「う、わ…」
急な発進体がガクンとする。
新さんは怒ってるのかなんなのかよく分からない顔をしている。
なんだろう、いきなりキレ気味に言ったから怒ったのかな。もう萎えたわ!とか言われるのかな…
ドキドキとして新さんの運転に身を任せる。
なんとも話しかけづらい状況だったので、車内は静かだ。
気まずい空気の中、私は相変わらず色々なことに考えを張り巡らしていた。
別れようなんて言われたらどうしよう…
そした泣いてすがっちゃうよ。でもそんなの新さん絶対嫌だよね。でも…
「降りて」
「え、はい!」
新さんの声に背筋をシャキっとのばし、あわててシートベルトを外して外へと出た。
出て気づく。
あれ、ここ…
「新さんの家…」
まだ数回しか行ったことないけど、たしかにここ新さんのお家だ。
たしかここの2階のお部屋だったはず。
でも、なんで…?
「由美、来て」
「あ…はい」
階段をのぼって、3つめのお部屋。
そこが新さんのお部屋だ。
新さんはそこに鍵を差し込んでくるっとまわす。カチャンと音がして解錠された音がする。
そしてドアが開いたと同時に、新さんが私の腕を強く引いた。
「え、きゃっ」
ガチャン-。
私の背後でドアが閉まる。
私はいま新さんの腕の中にいる。
「新さん…? ん、んくっ…」
見上げたと同時に、新さんが私の口を塞いだ。
