
はしたない女の子は好きですか?
第2章 ▼本当の本当は
そして、引退する前のあの真面目で凛々しい先輩を思い出していた。
部活に真面目で、厳しくて、でもそういうところに憧れてて。
先輩に憧れていた。という気持ちが蘇る。
「先輩…」
「気持ちよかったか?」
「…はい」
もう催眠にでもかかってしまったかのように、私は先輩の質問に答えていた。
でも嘘なんかついていない。
「柏木おいで」
私は先輩のほうへと擦り寄った。先輩は私を後ろから包み込むようにぎゅっとする。
少し前までこんなに素直になってなかったのに。
今はこの先輩の温もりが心地いいなんて。
先輩は私の髪に、首筋にキスを落とす。
さっきの強引な感じとは裏腹にとても優しく。
「先輩、くすぐったいですよ」
「ふふ、ごめんな」
「先輩、私…」
本当は、悠くんに咥えてって言われたり、手でしてって言われる度に、私もって思っていた。
私もこんなふうにぬるぬるにして欲しい。触られて沢山声をあげたい。
激しく激しく責めてほしいなんて。
そんなことを思っていた。
攻め手よりは受け身でありたかった。
可愛い女の子みたいにしおらしく嫌らしく乱れたかった。
でも悠くんにしてって言われると断るなんて出来なくて、したあとに私も触ってもらえるかもなんて考えていた。
