
はしたない女の子は好きですか?
第3章 ▼もっとみたい
「梨奈、待った?」
「あ、いや、平気…」
校門にひーくんがやってきた。
ひーくんは走ってきたようでおでこには汗が浮かんでいる。
急いで来てくれた。それだけでわりと嬉しい。
「じゃあ行こっか」
私はぎゅっとひーくんの手をつないで引く。
ひーくんと一緒に家まで歩く。
別にこのくらいだって全然幸せだって思うけれど、今日はもっともっと、深いところまでいけたらって思う。
脚が好きだからって太ももとか触ってくるのに、それ以上は全然求めないんだもんなぁ。
真面目でいいといえばそうなんだけどさ。
私からしかけたら、ひーくんだって何かしてくれるかな?
つなぐ手にぎゅっと力を入れてみる。
ひーくんが強く握り返したのがわかった。
思わずひーくんの顔をのぞきこむ。
「なに?」
「すきだなーって」
「可愛いなぁ、もう」
「なんだよカップルかよ」
「そうだよ」
そんなラブコメをしながら家までの道を歩く。
途中のコンビニでお昼を買う。
漫画の彼女みたいに家にあるもので作ってあげるなんてこと、私には期待しないでね。そりゃ…いつかはしたいけどね。
