
はしたない女の子は好きですか?
第4章 ▼彼氏とその弟と。
音をたててゆっくりとドアを開けた。
開けた先には陸人くんと真人さんがいた。
陸人くんはソファに腰かけていて、真人さんは床に座って、入ってきた私を見ていた。
「シャワー、ありがとうございました」
「あぁ」
「……真人さん、あの…」
「美佳」
「は、はい」
「俺のこと好き?」
「好きです!!」
迷うことなんか全くなく、真人さんの質問に私は秒速で答えた。
陸人くんのことなんて眼中になく、恥を忘れて真人さんにがっつくように好きと伝える。
「私、本当に本当に、真人さんが好きなんです……」
真人さんの前に座り込んで、ずっとずっと好きと言った。
真人さんは、うんうんと頷きながら私の言葉に相槌を打つ。
「真人さっ…」
「うん、わかった」
真人さんが私をぐいっと抱き寄せた。
真人さんの匂いだ。
スウェットからも同じ匂いで、二重に真人さんの匂いに包まれている。
体温が心地いい。愛しい。
私は真人さんに顔をうずめるようにした。
これって、許してくれたってことでいいのかな?
でも、こんなに優しく抱きしめてくれるし、もういいってことなのかな…?
